| 設計・吉田良一氏[コンセプト]
私の自然な家づくりのコンセプトは自然環境との調和を基本とし、伝統的な日本家屋の考え方を踏襲しながら、住み手のこだわりや時代のニーズを具現化することであり、また周辺環境へ配慮した心地よいデザインを作り出すことを基本としている。
具体的には近県で取れたヒバ、杉、檜、松等の無垢材、伝統工芸の和紙、燻瓦等を構造や仕上げ材として使用し、伝統技能を持つ大工、左官、経師、建具、瓦職人等の手仕事によって、安全、安心でエコロジーな住環境をつくること。そして土地の特性(光、風、景色等)を取り入れながら施主のイメージするライフスタイルの実現を可能とするプランニングの提案、周囲の環境に寄与できる外観のデザインおよび自然エネルギーの活用を計画することである。
「立地条件」
計画された敷地は幹線道路から一本なかに入った比較的静かな場所。元々、いったいは地元企業の社宅跡地で広大な敷地、市街化調整区域であるが周囲は緩やかに住宅が建ち始めている。経過口はその入り口部分にあたる角地に立地し敷地面積も広く日照条件等、恵まれた条件である。
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「設計の進め方」
施主の希望は和風で落ち着きのあるデザイン。床面積が比較的大きな建物となったため、できるだけ圧迫感を与えないように、平面ブランをコの字型とし、ひとつの塊だけでなく中庭を中心に三つのブロックに分散させ、全体的にボリュウムをおさえながら周囲に馴染むスケール感となるように検討した。
ゲストハウス「結」では、「茨城の家」らしい素材感、開放感、木のぬくもり、庭と一体感のある暮らしを望んだ。床は記の材種による素材感をたのしむべく、部屋によって檜、ナラ、桐を張り分けている。LDK(ワンルーム)の船底天井には3本の杉磨き丸太が化粧棟木、化粧桁として、高所低所に横たわり空間にメリハリをつけ、南側のテラスへとつづく視線は高さを抑える効果があり、部屋に広がりと落ち着きを与えている。
茨城の暮らしの習慣である間口いっぱいの掃きだし窓を開け、機械に頼られない通風、換気を得る工夫、どの部屋からも庭の緑を眺められる感性豊かな間取りはここでも取り入れている。
夏の強い日差しや強い風をコントロールするために中庭の緑と深い軒を設けた。前庭、中庭へと庭の緑を抜けた風は、深く出した軒下を通り、適度に冷された後、大きなワンルームをサーキュレイトし、北側へ抜ける。もうひとつは大きな吹き抜けを通り2階へと運ばれる。暖房には化石燃料の使用を抑え、自然エネルギーの有効活用という視点から、薪スロー部をLDKに設置した。この暖気はLDKだけでなく、床下をとおして他の部屋へ運ぶように計画した。
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