地域のこと

国土は、都市計画区域内の「市街化区域」、「市街化調整区域」、「非線引き区域」や、都市計画区域外の区域などに分けられています。

その中で、市街化調整区域には、基本的には住まいを建築することはできません。

例外として建築可能な条件として、実家に隣接する親の所有地にその子供世帯が家を建てるケースや、50戸以上の建物が70m以内の間隔で連なる土地にその地域や隣接する地域に10年以上住んでいる人が建てるケースなどがあります。

 

このように、市街化調整区域に住まいを建てるための条件は厳しいのですが、水戸市においては、都市計画法第34条第11号に基づき、市街化調整区域内の一定の要件を満たす区域を条例で指定しており、そこでは建築物の建築が可能となっています。

 

地域のこと

例として、水戸市の区域指定には二通りあります。

一つは、エリア指定区域と呼ばれるもので、一定の要件を満たす区域が地図上で指定されているものです。

もう一つは、文言指定区域と呼ばれるもので、エリア指定区域外で一定の要件を満たす土地の区域です。

これらの区域内で要件を満たす土地であれば、建築する人に対する要件が不要となるので、誰でも住まいを建てることができるようになります。

 

また茨城県内では、他にも区域指定を行っている市町村があり、茨城町や阿見町などでは市町村が実際に区域を指定しています。

このような区域の土地は、市街化区域よりも低めの価格設定で売買されることが多く、土地購入から検討している方にとっては、魅力的な土地といえます。

ただし、インフラの整備が遅れていたり、将来的な不動産価値の面での不安もあるので、多角的に検討して決定することをお勧めします。

 

地域によって区域指定の定め方が異なっているので、まずは不動産会社や建築会社に相談してみてください。

 

茨城県内の市町村の助成金

茨城県において、市町村によっては、「住まいに関する助成金」などの制度があります。
参考に、いくつかの市町村の助成金の例を取り上げていますので、実際に建築する市町村でどのような制度があるのか、また、詳しい内容はどのようになっているのか、建築会社や市町村に確認してみるとよいと思います。
■ひたちなか市 三世代同居等支援住宅助成金
ひたちなか市には、子育て及び高齢者の生活支援を目的に、三世代同居等支援住宅助成金という制度があります。
この制度は、市外からひたちなか市に転入して、三世代同居又は近居を始める三世代家族(親・子・孫)に対して、住宅の取得費用の一部を助成するものです。
1年以上の同居や近居を続ける見込みがある場合、同居の場合には20万円、近居の場合には15万円が助成されます。
那珂市子育て世帯住宅取得助成金
那珂市には、子育て世帯及び新婚世帯の定住促進や活力に満ちた元気なまちづくりの推進のため、市内に初めて住宅を取得する費用の一部を助成する制度があります。
住宅ローンを利用して建築することなどが条件となり、住宅ローン契約時に中学生以下の子供と同居している世帯又はローン契約の5年前から申請日までの間に婚姻し夫婦いずれかが40歳以下の世帯の方が対象となります。
市内の方は10万円、市外の方が転入する場合には20万円が助成されます。
また、親の家を建て替える場合などには、三世代同居として助成金を申請できます。

茨城県ではパッシブデザインを取り入れて居心地のよい住まいをつくる

パッシブデザインとは、自然エネルギーを利用して、快適・健康と省エネルギーを両立させる技術です。

具体的には、

①建物における敷地上の配置、性能、形状、窓の大きさや配置、工夫を凝らした間取り

②太陽の光や熱を室内に取り入れたり、風を通して排熱したりするなど、建物の周りにある自然エネルギーを利用

③自然エネルギーを最大限に活用したり適度に調節する

などし、住み心地のよい住まいを設計することです。

 

 

茨城県は、全国的にみて年間日照時間が長く、温かい地域です。

また、住宅と住宅の間隔も適度に確保できることから、太陽光や太陽熱、風の利用には大変適している地域といえます。

南面にある掃き出しサッシからは、冬の平均値として、電気ストーブ約1台分の熱エネルギーが室内に入ってきます。

この太陽の熱を効率よく室内に蓄えることで、冬場のエアコンなどによるエネルギー消費を抑えることができます。

 

また、夏場には日射が直接室内に入ってこないように、窓に庇をつけたり、日よけで覆うなどの工夫が効果的です。

これらは当たり前のことではあるのですが、近年の都市部の高気密高断熱住宅では窓を小さく設計するなど、自然エネルギーを効率よく使うことができていません。

都市部では建物が密集しているので窓からの日射を利用するのも難しく、また、換気のために窓を開けることも少ないので、パッシブデザインの住宅はFITしないでしょう。

 

茨城県は、自然エネルギーを利用しやすい地域ですので、おのずと住まいづくりの考え方も変わってきます。

地域の特性に合わせてパッシブデザインを取り入れて、省エネルギー性が高く、住み心地のよい建物を造ることは、現代の住まいづくりの上で重要なポイントです。